いじめゼロを目指して

いじめをなくすための取り組み〜学校編〜

子供たちが1日の大半の時間を過ごすのは学校です。
そもそもいじめ自体が学校内での人間関係の中で起こるものですので、
いじめ撲滅には学校側の積極的な取り組みが欠かせません。

 

いじめをなくすために、学校側はどのような対策を取るべきなのか、また、
実際にいじめが発生した場合にはどう対応すれば良いのか。
ここでは、一般的な対応策についてご紹介します。

いじめをなくすために 学校編エントリー一覧

グループによるいじめ
小学校の高学年から増えてくるのが、グループ単位でのいじめです。グループの中に加害者・被害者・観衆・傍観者がおり、いじめのターゲットは時に日替わりで変わることもあります。そのため、指導を行う教師側としては、この“グループ”にも介入しなければなりません。…とはいえ、まずは被害者の話をじっくり聞くことが最優先。相談を受けた場合は、いじめ行為の詳細や被害者の気持ちについて時間をかけてじっくり聞きとりを行いましょう。もし話してくれるようだったら、いじめ行為を受けた時期や場所、グループの構成メンバーについて...
学校側に問題がある場合 
いじめは、「子供 対 子供」の間で起こるもの。当然のことながら、学校で発生するケースが圧倒的多数を占めています。しかし、学校側の対応がしっかりしていれば、いじめは初期段階で解決することも可能。裏を返せば、いじめが深刻なレベルにまで発展してしまうのは、学校側になんらかの要因があることが疑われます。例えば、いじめが発生した時、学校側が慢性的に次のような対応をとっているようであればいじめ問題をより深刻な段階にまでこじらせてしまう危険性があるでしょう。・いじめの存在に気づいていながら、教師が「些細なこと...
いじめが起こりやすいクラスの特徴 
同じ学校の同じ学年でも、クラスによっていじめが起こりやすいクラスとそうでないクラスがあるようです。…と言ってしまうと、どうしても、「教師の力量に差があるからだ」と捉えられがちですが…。実際、いじめが起こりやすいクラスにはどのような特徴があるのでしょうか。心理学の世界では、次のようなクラスはいじめが起こるリスクが高いと考えられています。□子供たちの、「教師から守られている」という安心感が希薄□善悪の基準がしっかり示されていない□褒めるよりも小言や注意が多い指導□一部の子供だけが、何度も活躍の場を与...
いじめを予防するための教育の在り方
どんな正論を掲げても、そこに信頼関係がなければ、人は話に耳を傾けません。毎日教壇に立って子供たちにものを教える立場である教師ともなれば、なおさら信頼関係を重視しなければなりません。しかし、人から信頼を得るということは思いの他、難しいことです。相手が子供であっても大人であっても、一朝一夕には人の信頼は得られないものです。日々、一人一人の人間と誠実に向き合って、地道に愛情を伝えていかなければ。そのためには、まず、子供たちのことをよく知る努力をすることです。この子は何が得意なんだろう?この子にはこんな...
思いやり教育のススメ
「思いやりがある」「思いやりがない」という表現、日常的にもよく使いますよね。教育の現場でも、いじめ防止のために「思いやり教育」の必要性が叫ばれたりしています。しかし、そもそも「思いやり」とは一体何なのでしょうか。辞書によれば、「思いやり」とは、次のように定義されています。「他人の身の上や心情に心を配ること。また、その気持ち。同情」「想像。推察」「思慮。分別」いずれにしても、“自分”というものから離れて、自分以外の人や物について心を巡らせる…といったニュアンスがあるようですね。つまり、自己中心的で...
いじめ予防に効果的なトレーニング 
大人たちが会社や近所の人間関係に苦慮するように、子供たちにとってもまた、学校での人間関係は悩みのタネ。全くの他人同士が1日の大半の時間を同じ空間で過ごすわけですから、会社で働いているのとなんら変わりはないのです。そこで必要になるのは、やはり他者とのコミュニケーションスキル。どうすれば自分の気持ちをうまく伝えられるのか、どうすれば相手を傷つけずに断れるのか、どうすれば相手を納得させられるのか…。いじめが発生する背景には、こうした“伝える”技術の未熟さが見え隠れします。例えば、いじめの加害者になりや...
エクササイズでいじめSTOP!
いじめ予防教育として、最近では様々な手法が用いられています。「構成的グループエンカウンター」もその一つ。様々なエクササイズ(課題)を行うことで心の交流を深め、お互いの自己成長を促そうというグループ体験の一種です。すでにいじめなどの問題を起こした子供に対する教育法というよりは、問題が発生する前段階で普通の子供たちに対して行うケースが多いようです。…とはいえ、人と心の交流を図る際には、ついつい本音を言ってしまって相手を傷つけたり、嫌な思いをさせてしまったりすることがありますよね。このようなことを避け...
いじめ発覚〜学校が行うべきこと〜
いじめのサインに気付いた時、学校側としてはどのようなプロセスで解決を目指すのが適切なのでしょうか。(いじめのサインについては「いじめのサインの見つけ方」をご参照ください)いじめを発見した場合、解決までの一連のプロセスの中で最も重要なのが、学校側の初期対応であると言っても過言ではないでしょう。見て見ぬフリをするのはもっての他ですし、大げさに事を荒立てるのもかえって逆効果です。学校側の初期対応というプロセスが躓くと、保護者たちを巻き込んだ騒動になったり、警察やマスコミにまで根ほり葉ほり調べられるトラ...
アンケートで実態調査する方法 
企業だと、パワハラやセクハラをけん制する目的でコンプライアンスアンケートを実施することがありますよね。いじめに関してもこれと同様で、学校でもいじめに関するアンケート調査を行うことがあります。この目的は、言うまでもなくいじめの実態を調査するため。同時に、いじめ行為をけん制したり、子供たちにいじめについて考える機会を与えるという意味合いもあります。もちろん、記入は匿名で行われますので、普段は「教師に言ったら自分がターゲットになるのでは」と脅えている子供たちも、ありのままを回答しやすいというメリットが...
学校側の初期対応が全てを決める
いじめ問題を大きくしないための基本は、教師や学校がいかに本気で初期対応に取り組むかにかかっています。そもそも、深刻ないじめも、元を辿れば小さな嫌がらせのレベルから始まっていることが多いもの。クラスの雰囲気に異変を感じたら、その時すぐに対応策を講ずるべきです。「あのくらいのことは、子供時代にはよくあること」…などと楽観視していると、やがて社会を巻き込む大きな問題に発展する可能性もあります。自転車の故障も、「あれ、なんかおかしいな」と思った時に修理しておかないと、イザという時に「ブレーキが利かない!...
被害者への接し方 
「もしかしたらこの子は、いじめに遭っているのではないだろうか」…と感じるサインを発見した場合、まず注意しなければならないことは、焦らないことと、決めつけないことです。思春期の子供たちにとっては、「自分がいじめられている」という現実は認めたくないもの。それを、はなから「お前、いじめられてるんじゃない?」と決めつけてかかるのは、生徒(児童)のプライドを傷つける行為です。それでは、心を開いてもらえませんよ。まず、被害者と思われる生徒の様子を授業中・休み時間とよく観察し、他の生徒(児童)の目につかない場...
加害者への接し方
ある程度の年齢になってくると、生徒たちは大人顔負けの舌鋒で教師や親をも自分の都合の良い方向に言いくるめることがあります。特に、いじめ加害者になるような生徒にはその傾向が強いようですね。暴力行為があったことについて指摘すると、「ただ遊んでただけ。○○だって楽しそうだったし」「体育の柔道の練習をしてただけ。あれが暴力なら、体育の授業も暴力じゃないですか」…などと、ついつい教師側がキレてしまいそうな発言を繰り返します。これは、教師を舐めてかかって挑発しているだけですので、それに乗せられてキレてしまって...
クラス担任に課せられる責任
いじめ問題は、クラス担任が対応の仕方を間違えると、学校vs保護者の大きな問題に発展する可能性もあります。…クラス担任をされている方は大きなプレッシャーを感じてしまうかもしれませんが…。いじめ問題を、拡大せずにいかにスムーズに解決できるか、いかに“後を引かずに”円満に収められるかは、ある意味ではクラス担任の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。いじめ問題が発生した時、クラス担任が行うべき具体的プロセスは以下の通りです。・いじめの被害者を守る(休み時間、放課後のパトロールの実施など)・学年...
カウンセリング技法を学ぼう
一般的に、「カウンセリング=心の治療をしてもらうこと」と思われがちですが、本来、カウンセリングとは、本人の心の回復・成長をサポートすること。カウンセラーが、「ああしなさい」「こうしなさい」と一方的に指示することはありません。もちろん、いじめの被害者に対するカウンセリングについてもこの基本ルールは守らなければなりません。まずは、いじめの被害を打ち明けてくれた勇気をねぎらい、その後で、本人の話をじっくり聞きましょう。カウンセリングは、あくまでも相談者の話を“傾聴”することが大切なのです。ただ、子供の...
保護者間のトラブルが発生したら…
いじめは、基本的には子供vs子供の“当事者”間の問題。しかし、時には保護者をも巻き込んで予想外の大きなトラブルに発展することもあります。この場合、学校の対応のマズさが原因になっていることも少なくありません。例えば、学校側の認識の甘さ。「いじめは、所詮はケンカの延長。握手して仲直りさせれば解決するだろう」といった楽観的な態度で臨むと、加害者側を不用意に刺激することになり、「あいつは先生にチクッた」と、ますますいじめがエスカレートすることにもなり兼ねません。もっと深刻な例では、いじめで不登校に陥って...
管理職に課せられる責任
学校という組織の中でいわゆる“管理職”と呼ばれる立場に当たるのは、教頭や校長です。管理職というくらいですから、その名の通り、“管理する”ことが彼らの仕事。学校内で起きた全ての出来事を把握し、責任を負う義務があります。もちろん、いじめもその一つ。校内で起きたいじめについて全体像を把握し、対策を講じて部下(担任や生徒指導部)に的確な指示を出さなければなりません。そのためには、まず、下から報告があがりやすい環境を整えることが大切です。校内の教職員の間で報告・連絡・相談しづらい雰囲気があれば、いじめ問題...
スクールカウンセラーの役割
一昔前までは、事実上、子供たちの“ココロのケア”も教師に任されていたと言っても過言ではないでしょう。しっかりした心理学の知識もない状態で人のココロに向き合うわけですから、対応を誤ることもあれば、逆に自分自身が病んでしまうケースも多かったでしょう。しかし最近では、“スクールカウンセラー”という心理学の専門家が子供たちのココロのケアに当たる学校も増えています。スクールカウンセラーとは、児童生徒のココロの相談に乗りアドバイスを行う仕事。勤務は“常勤”のケースは少なく、ほとんどは週1回程度です。子供たち...
養護教諭の役割
教室には行けないけれど、保健室には行ける。…そんな、いわゆる「保健室登校」を続けている子供たちも少なくありません。大人のみなさんは、ご自身が学校に通っていた頃のことを思い出してみてください。保健室って、ちょっと“特別な場所”ではなかったでしょうか?教室とは、空気感も時間の流れも違う場所。弱い自分、無防備な自分をさらけだせる場所。どこか、“守られているような”気持ちになれる、そんな“特別な場所”だったハズです。そして、その空間にいる養護教諭の先生もまた、子供たちにとっては特別な存在。親とも違う、担...
対策委員会をつくる際の注意点
いじめ問題は、クラス担任が一人で解決できるほど単純なものではありません。いじめの構図自体が非常に複雑ですし、被害者のココロの傷は周りが思っている以上に深いものかもしれません。また、一度は解決したように見えても、実際には水面下でいじめが継続されているケースも多いのです。いじめ問題の解決には、専門家をまじえたチームを構成して当たるべきです。この時、責任者となるリーダーを必ず設定するべき。一般的には、その役割は学校のトップである校長が担います。なぜなら、いじめ問題は“学校として”取り組むべき問題だから...
勉強会でいじめを予防する 
「いじめを防止するために勉強会を開く」という場合、その勉強を「いつ開くのか」「誰を対象に開催するのか」…がポイントになってきます。いじめ問題がすでに起きていて、その対応策を検討するために開くのか、または、いじめ問題が起きる前の予防対策を講ずるために、あくまでも“教育”や“啓蒙”の一環として開くのか。また、教職員のみを対象に開催するのか、児童生徒を教育するために開くのか、保護者もまじえるべきなのか…。「いつ」「誰に向けて」行うのかによって、勉強会の内容や開催する意味は大きく変わってきます。
学校外でのいじめの対応法
某人気TVドラマのセリフではありませんが、「事件は現場で起きている」のです。いじめは、必ずしも教師や保護者の目の届く場所で起きるわけではありません。例えば、自宅と学校の間の通学路、公園、人目につかない空き倉庫、川原、ゲームセンター、カラオケボックス、塾…挙げればキリがないほど、学校外の様々な場所で起こる可能性があります。しかも、学校とは異なるメンバー(他校の生徒や、年上の先輩など)が加害者になっている場合もあり、より悪質ないじめに発展しやすいという特徴があります。学校外の人間が絡んでいる場合、学...
いじめは話合いで解決できるか?
かつて、いじめが起きた場合の対応策といえば、教師が子供たちに対して一方的に説教をしたり、訓戒めいたものを述べたり…といったともすれば“一歩通行”のいじめ指導になりがちでした。しかし、それでいじめが根本から解決していたでしょうか?教師の前では収束したように見えても、実際にはさらにいじめ行為がエスカレートしていたり、ターゲットが変わっていたり…と、いじめの根絶にはつながっていなかったという現状があります。そこで最近注目されているのが、「子供たち自身の話合いでいじめを解決する」という手法。お互いの言い...
無関心は罪?
いじめに関わる子供たちは、「加害者」と「被害者」だけではありません。一般的には、次のような構造が見られ、それぞれの立場に合わせて指導内容も変えていく必要があります。・加害者グループ直接、いじめに加担している子供たちです。司令を出す者、実際に手を下す者…といった階層が形成されている場合もあります。まるで大人の世界のようですね…。・被害者いじめの被害に遭っている子供です。集団のいじめの場合は、加害者グループの中の一人が被害者になっているケースもあり、誰が加害者で誰が被害者なのかを見分けにくい場合もあ...
理想的ないじめ指導体制を考える
いじめ問題が発生した時、最初の段階で大事なのは、状況(事実)を正確に把握するということでしょう。誰が加害者で、誰が被害者なのか?どういう構造でいじめが起こっているのか?単独?グループ?そのいじめはいつ頃から行われていたのか?…これらの事実確認は、担任教師一人ではとても対応しきれません。一見、単純な構造のいじめに見えても、実際にはもっと複雑で根が深く、簡単には解決できない場合もあるからです。そのような場合でも、事前にいじめの指導体制がしっかり確立できていれば事実確認から解決まで比較的スムーズに対応...
生徒指導担当者の役割
各学校には、“生徒指導”の担当の教師が配置されています。(筆者の学生時代を振り返ってみると、やたらに厳しかった印象しかありませんが…)クラス担任や管理職、養護教諭、スクールカウンセラーと同様、彼らもまたいじめ問題の対応に関わるキーパーソン。一体、どのように関わっているのでしょうか。実は、発覚したいじめのタイプに応じて、学校側の対応も異なります。もし、次に挙げる特徴のうち一つでも該当していれば、生徒指導担当者が中心となって積極的に介入していく必要があります。★加害者生徒はいじめ行為以外にも反社会的...
特別支援教育コーディネーターとは?
「特別支援教育コーディネーター」という仕事があるのをご存知でしょうか?一般の方にとっては、あまりなじみのない言葉かもしれませんね。特別支援教育コーディネーターとは、その名の通り、“特別な支援”を必要とする子供たちの教育をコーディネートする仕事。要するに、障がいを持った子供たちの教育に当たる際に、教師側や保護者、外部機関との連携の橋渡しをする立場にある人のことです。求められる力量としては、次の2つが挙げられ、特にAが重視されます。@障がいのある子供たちのよき理解者になれることA学校内外で“調整役”...
スクールソーシャルワーカーとは?
TVでよく耳にする“スクールソーシャルワーカー(SSWr)”というキーワード。なんらかの職業を意味することはイメージできても、具体的にどのような役割を担う仕事なのかをご存知の方は少ないのでは?スクールソーシャルワーカーとは、いじめを含む様々な問題に直面している子供たちをサポートする仕事のこと。子供たちが抱えている問題を解決するために、子供たち“本人”と彼らを取り囲む“環境”の両方にアプローチしていく立場をとります。「スクールカウンセラーとはどう違うの?」という疑問を持つ方も多いことでしょう。実際...
チームでいじめを撲滅するという考え方
自分が受け持つクラスがいじめ問題が発生した時、ともすれば「自分のクラスのことは自分でなんとかしなくては!」…と、一人で頑張り過ぎてしまう担任教師も多いようです。しかし、いじめ問題は、それほど単純なものではありません。クラス担任の介入によって一旦は収束したように見えても、実際には教師の見えないところでいじめが継続しているケースも多いですし、ターゲットを変えて続いていく例も多いのです。また、いじめを受けた被害者の心の傷は、付け焼刃的な対処で癒えるほど浅いものではないのです。いじめ問題の解決には、学校...
いじめと学級崩壊の関係
一時期、各種メディアで「学級崩壊」という言葉をよく目にしましたよね。学級が崩壊する…。その言葉が持つイメージはかなり強烈ですが、実際のところ、学級崩壊とはどのような状態のことを表しているのでしょうか。例えば、次のような状態に陥っているクラスは「学級崩壊」と表現されます。・おしゃべり、教師への反抗的な言動、奇声、口笛、冷やかし、嘲笑、物が飛んでくる、勝手に歩き回っている生徒がいる、教室から出ていく生徒がいる…。授業中にこうした現象が見られ、クラス全体が騒然としている。・上記のような行為に対して教師...
教師の加担が疑われるケースへの対応方法
出来事ひとつ、言動ひとつとってみても、人によって感じ方は様々。時には、「教師が我が子に対するいじめに加担している」と、保護者が訴えてくるケースもあります。問題の教師(例えばクラス担任)に対して、「どうなっているのか」と、直接直訴してくる場合もあれば、当該教師を飛び越して学年主任や教頭、時には校長に対して被害を訴えてくるケースもあるでしょう。そのような場合、まず大切なのは、保護者と教師、両者の言い分を整理してしっかりと事実確認をすること。大人の何気ない言動が、子供にとっては大きなショックを与えてし...
「こころのサポート授業」とは?
いじめを予防しよう!…口で言うのはしごく簡単なことですよね(笑)。しかし、実際には、そう簡単にできることではありません。いじめを本気で予防しようとすれば、いじめ加害者側の心の問題と向き合わざるを得ないからです。被害者側からしてみれば、「なにを生ぬるいことを!」と思われるかもしれません。しかし、加害者は何らかの心の問題を抱えているケースが多く、その問題を解決することができなければいじめも根絶することはできないと言っても過言ではありません。例えば、家庭内での心理的なストレスがいじめの要因になっている...
いじめを助長する教師の典型例
いじめ被害に遭った経験を持つ人に話しを聞くと、よく出てくるのが、「教師の言葉に傷ついた」「教師の介入で、かえって事態が悪化した」…というエピソード。確かに、メディアで取り上げられるいじめ事件でも、「教師もいじめに加担していた」とか、「いじめの事実を知っていながら、教師がなんの対策もとらなかった」とか、教師が絡むいじめ問題は多いですよね。中でも、よく聞くのが、「いじめられるお前にも問題があるんじゃないか」という発言にショックを受けたという体験です。言われてみれば、筆者の中学時代を振り返ってみると、...
校長の意識次第でいじめはなくなる?
いじめが深刻な社会問題に発展している昨今。「いじめに関する取り組みを全く行っていない」という学校はないでしょう。しかし、そのいじめ根絶の取り組みを、“誰が主導で行うか”によっても、効果には雲泥の差が出てくるようです。学校によっては、各学級の担任に任せっぱなしというところもあるでしょうし、学年単位で何か取り組みを行っている学校もあるでしょう。しかし、やはり最も効果的なのは、校長主導のトップダウン式対策。この場合のトップとは、言うまでもなく学校の校長です。校長が率先していじめ根絶を宣言し、「我が校で...
いじめアンケート「Q-U」とは?
いじめ防止教育といっても、単に、「友達をいじめてはいけない」「いじめは悪いことだ」…などと、通り一遍のことを口頭で指導しただけではいじめはなくなりません。自分の子供時代を振り返ってみればお分かりかと思いますが、子供はそんなに素直ではありませんからね…(笑)。なぜいじめはいけないのか、いじめはどんな弊害をもたらすのか、理論ではなく“体感”で教え込まなければ、いじめはなくらないでしょう。そのため、大人側もあの手・この手を尽くして教育に取り組まなければならないのです。そこで注目したいのが、データを基に...
ピア・メディエーションとは?
いじめの原因は、些細な意見の食い違いや口論であることも多いもの。話合いによってお互いに納得のいく“落とし所”を見つけていれば、いじめに発展するのを防ぐことができるケースもあるのです。小さなトラブルを仲間内で解決する能力が身に着いていれば、いじめの芽を摘み取ることは十分に可能。そこで近年、教育現場で注目されているのが「ピア・メディエーション」という手法です。日本語では、「仲間による仲裁」と訳され、その名の通り、トラブルを仲間内でうまく仲裁すること。対立する両者の間に入り、公平に双方の言い分に耳を傾...
生徒指導担当嘱託員という制度
一言で“いじめ”と言っても、ケースは様々。「陰口を言われた」「仲間外れにされた」「物を隠された」といった、学校内で解決が可能なレベルのいじめもあれば、万引きを強要されたり反社会的組織のからみがあったり…と、学校の教師だけではとても解決できない問題もあります。そこで、最近は、「いじめ対策にも警察の力を借りよう」という動きが活発になりつつあります。実際、文部科学省が2012年9月に発表したいじめ新施策の中でも、学校と警察との連携強化を提唱しています。そんな動きに先駆けて、群馬県教育委員会が取り入れて...
学業不振がいじめにつながるケース
いじめでよくターゲットにされるのが、学業不振いわゆる“勉強のできない”子です。ご自身の学生時代を思い出していただけるとよく分かると思いますが、新学期にクラス替えをした後、少し経つと、クラスの中で勉強ができるのは誰なのか、逆に、勉強ができないのは誰なのかがよく見えてくるものですよね。すると、授業中、勉強ができない子が発表につまずく度にせせら笑ったり、陰口をたたいたり、露骨に馬鹿にしたり……といった出来事が増えてきます。このようなからかいも、本人が「いじめだ」と思えば立派ないじめ。場合によっては不登...
共学と女子校、いじめが多いのは?
お子さんが新入学を控えている場合、「できれば、いじめ等のトラブルがない学校を選んで欲しい…」と思うのは、親ならば当然のことでしょう。「○○中学はいじめがヒドイらしい」といった噂を耳にする度に、うちの子は大丈夫だろうかと心配されている方も多いことでしょう。誰だって、自分の子供がいじめに巻き込まれるのは避けたいものです。なんとなく、「共学よりも女子高のほうがいじめが多そう」…そんなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、これは断言できますが、いじめが全くない学校はあり得ません。いろ...
学校の人間関係について考える
子供の頃のことを思い返してみると、学校での人間関係って結構複雑でしたし、うまくやるのは難しいですよね。ここ数年、いじめが社会的な問題になっていますが、それも学校での人間関係に様々な変化が生じているからなのではないでしょうか。そもそも、学校だろうが社会だろうが、人間関係の根本にあるのは人、個人です。つまり、人間関係がおかしくなるというのは、私たち個々人の心の在り方に問題があるということなのかもしれません。ともすれば、「家庭での教育が不十分で、他人を思いやれない子供が増えたから」「キレやすい子供が増...
仲間意識がいじめの原因になる?
本当はいじめ行為に関わりたくないのに、立場的に、いじめ加害者に加担せざるを得ない。…そんな複雑な気持ちでいじめに関わっている子供たちも多いことでしょう。いじめには様々なパターンがありますが、中でも「集団のいじめ」の場合は、その集団内での「仲間意識」の呪縛にとらわれているケースがほとんど。バッサリと言いきってしまえば、「アイツは仲間ではない」と判断されるような“隙”を見せた人間がいじめのターゲットになるわけです。そして、そのいじめゲームに参加するかorターゲットをかばうかどうかは、仲間意識を確認す...
「自殺の練習」という最悪ないじめ  
自殺の練習を強いられる。…そんな、ブラックジョークにもならないようないじめが、この日本で実際に行われていたという事実を、あなたはご存知でしょうか?2012年に世間を騒がせた大津中2男性生徒自殺事件で、被害生徒がいじめの延長で「自殺の練習」を強いられていたことが判明したのです。しかも、当初、この事実は隠されていたのだとか。学校が実施したアンケートに対して、複数の生徒が証言したことでこの恐ろしい事実が明らかとなったのです。学校が全校生徒859人に対して実施したアンケート調査では、そのうち、いじめの内...
黒木瞳の娘がいじめで停学?
2012年の夏、誰もが知っているであろう、あの“大物女優”について不穏な噂話が持ち上がったことがありました。その女優とは、元宝塚ジェンヌの黒木瞳さん。年齢を重ねても衰えないその美しさとプロポーションは、女性にとっては永遠の憧れ的存在です。そんな黒木さんの娘さんが、「いじめの主犯格」として名前を挙げられている…衝撃的なその噂に、芸能界のみならず私たち一般Peopleまで大きなショックを受けることになったわけです。しかし、人の噂も75日とはよく言ったもので、2013年年明け現在ではすでにその話も過去...