私の一日
ある朝登校したら自分の上履きが下駄箱に無く、裸足で教室に行けば机の中身が全てゴミ箱に入っていて、それを拾ってロッカーを開けば入れた覚えのない
ゴミが雪崩れてくる。授業が始まれば偶然私の分のプリントが配布されず、配布されたとしても偶然隣の人の手が当たって床に落ち、後ろの人の足が偶然踏
んで破れてしまい、給食を食べようとすると急に私のおかずの入った皿をひったくられた揚句誰かの机に置いては「汚い」と言われて床に落とされ、それを
発見した先生が誰の分だと問うと皆一斉に私の名前を口にし、それを聞いた先生は私に床へ落ちた食べ物の掃除を他の皆が座って食事をしている真ん中で床
に膝を着いて床を綺麗にしている。
掃除が終わり、自分の席に戻ると何故か皿が中身の入っている状態でひっくり返っているか、全ての食べ物が一つの皿にまとめられて丁寧にもかき混ぜられ
ており、人気のメニューの日にはそんなものは最初から私の目の前には現れない。
昼休みは図書館に逃げ込んで誰にも見えない本棚と本棚の間で息を殺して読書をするも、そのささやかな息抜きも20分で終了してしまう。授業の為に教室へ
戻ると、入った途端に全員が不快を示す表情に変わり、私の机の上には意味不明な言葉が綴られている。授業中隠れながら綺麗に消すと、今月に入って買っ
た3つ目の消しゴムが小さくなってしまったので新しくまた買わなければならない。
一日の授業が終わると掃除が始まる。私の清掃場所はトイレ。清掃班は全員で5人だが、場所に集まるのはいつも私だけで清掃が終わって先生が見回りに来る
頃に全員が揃う。清掃が終わればようやく家に帰れる。下駄箱を見ると朝無かった上履きが入っている。きっと私が探し忘れたのだろうと思いながら靴を履
こうとすると足が入らない。靴の中に石が詰まっている。逆さにして全て出すと意外に凄い量が入っていた。なんとなく早足で校門を出て帰路に着くと自転
車で追い越し際に笑われ、後ろから名前を呼ばれて振り返ると笑われる。
そんな一日を終えて私は帰宅する。母は私に学校はどうだったかと尋ねるけれど、私は楽しかったよ。と嬉しそうに言う。そんな私に母はよかったねと返す
。たったそれだけの会話でも私は心が痛い。母はきっと学校での一日を聞けば悲しむだろう。そんな事はしたくないので黙っている。課題を済ませると、私
は明日も学校に行かなければならないので早目に就寝。時間的には良く寝たはずなのに、寝起きが毎朝悪い。制服を着込んで登校する。すれ違いざまに挨拶
の様に笑われた。学校に到着して上履きを履こうと下駄箱を見ると、やはり上履きが無くなっている。