いじめゼロを目指して

体験談を通して

私は小学校の3、4年生の時に隣のクラスの女の子からいじめを受けたことがあります。
その時はただからかわれているだけと、とにかくそう思い込むことで自分を守っていました。

当時、家が近く、親しい友達が転校してしまい、一緒に帰る人がいなくなった私は誰かと少しでもいいから一緒に帰りたいという気持ちがありました。そして、ちょうど同じ方向に家がある友達が隣のクラスにいたので一緒に帰るようになり、仲良くなりました。

しかし、ある時から放課後、隣のクラスのグループと女の子たちと友達が遊んでいて、教室の前で待っていても教室から出てこないことが多くなっていきました。それでも私は、その子といるのが楽しかったので教室の前で待っていたのです。当時、先生にお話しを作ってノートを毎日提出するという趣味をもっていたのでお話しを書いて、冷たい廊下に座りながら待つ時間を過ごしていました。

そして、そのグループの女の子たちから「何書いてるの?」、「早く帰ればいいのに!」と言われ始めました。友達もわたしがからかわれているだけだと思い、助けてはくれませんでした。それから徐々にひどくなって、ペンケースを投げ合ってなかなか返してくれなかったり、わたしを置いてみんなで、いなくなってしまったり・・・・、髪の毛がおかっぱだったので「ヘルメット」「変な髪!」と、嫌なことを言われ続け、辛かった記憶があります。
そんな行為を受けた後でも、友達と一緒に帰る時はその子も普通に優しかったので何か助けを求めるということはありませんでした。
その時はただ笑っていじめが終わるのを待つというのがわたしには一番の方法でした。当時、両親は共働きでお父さんも単身赴任だったこともあり、忙しくて、このことは誰にも相談できませんでした。

しかし、唯一の趣味であるお話しを書くことや、帰り道に寄り道して綺麗なお花を持って帰ったり、とにかく自分の好きなことに没頭していくことで日々の悲しみを忘れようとしていたんだと思います。
30歳を過ぎた今、その友達とは大親友で当時を振り返り、申し訳なかったとこの間も謝っていました。その子も中学の時にひどいいじめにあったので、私の気持ちをわかってくれたのだと思います。
今は携帯電話などを利用するいじめも増えていて、もっとやり方が悪質になっているように感じます。受けた傷は消えませんが、それを客観的に受け入れて、人に話すことができるようになった今は、私なりに乗り越えたのではないかと思っています。
ぜひ、いじめを受けていてもなにかすがれるもの、その瞬間を忘れさせてくれるものを今の子供たちにも見つけてほしいと思わずにはいられません。
からかいといじめの境目はその子によって感じ方もとらえ方も違いがあるため、統一するのは難しいと思います。

ただ、嫌なことがあっても救われる何かがその個人個人にあることによって、その時を乗り越えることができるのではないかと感じています。


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