いじめ体験を乗り越えて
わたしは中学の時は小学生のときよりもずっと男子が嫌でたまりませんでした。
それも中学生になると特に体型のことを言われて言葉の暴力でいじめにあっていたからです。当時の私に逢うことができたら、「いじめられているの?」と聞かれても「いじめられていない」と答えると思います。
いじめられっ子にとって自分がいじめられているという認識はすごく勇気のいるものです。自分が低い存在であるというか、差別を受けられているような気持ちを認めるのはとても辛いことだからです。現在、いじめられている子の多くも自分がいじめの被害にあっているという現実を認めたくない子もたくさんいると思います。
当時を振り返って一番印象に残っているのは学級会の時でした。
わたしが机といすを前に出して座り書記をしていた時に「大根があるぞ。」と言われたのです。そして、ふと気付くとわたしの脚を1人の男の子が指をさして笑っていました。周りは失笑というか、笑いをこらえている感じでした。
その時はみんなの前でからかわれて、教室から出たい気持ちでいっぱいでした。もちろん学級会だったので担任の先生もいましたが、先生は何も言ってくれなかったのを今でも覚えています。たぶんそれはわたしが笑っていたからだと思います。「なんでそういうこと言うの?」と笑いながら答えていたんです。
ですが、本当は泣きたくて仕方ありませんでした。とにかく笑えば、深刻にならなくて済むと思っていたんです。ですが、30歳過ぎた今でも鮮明にその記憶はよみがえってきます。たしかに、太っていましたが、そこまでどうして言われなくちゃいけないんだろう?
どうしてわたしなんだろう?とからかいの的にされていてとても辛かったです。中学の時に嫌な思いをしたので、高校は男子が少ない所を自分で選んでいました。とにかく、その当時は男の子があまりいないところに行きたかったんだと思います。高校になってそういったいじめはなかったのでわたしはそういった高校を選んで正解でした。
女の子は特にいじめで体型のことを言われるのが辛いと思います。それなりに悩んでいたことを言われるとなおさら傷つくものです。自分もなんとなく悩んでいたことを言われると言い返すこともできずに、泣くこともまたできない、笑うしかなくなってしまうんです。ですから、そういった言葉の暴力で悲しんでいる子がいたら、あなたはがんばっていると伝えてあげられたらと思わずにはいられません。