いじめゼロを目指して

加害者側から見たいじめ

わたしは小学校6年生の時、初めて大人数の女の子のグループに入れて嬉しかった思い出があります。小学校では何度かいじめを経験し、嫌な思いをしていましたが、6年生になって初めて6〜8人ぐらいのグループの中の一人として存在することができました。その時はとても学校が楽しくて、毎日笑っていた記憶があります。
だけど、その中でもいじめが起こりそうな時がありました。当時、学校から帰りランドセルを置いてすぐに遠くの友達の家まで自転車でよく行っていました。その友達は両親が共働きでいつも家に誰もいなかったので、家の中に入ったり、家の周りで自由に遊んでいました。ポコペン、缶けり、おにごっこ、いろんな遊びをしました。
そして、ある日その友達の家の子が「ねえ、○○ちゃんをずっと鬼にしよう」と言ってきました。
その子はその中でいうリーダー格の存在。時には万引きに誘われたり、見た目はかわいくて悪いことなんてするように見えないのですが、たまにそういって悪さをしようとしていました。
そしてみんなもなんとなくその子に従い、その時は○○ちゃんをずっと鬼にしていました。だけど、そのことに○○ちゃんは全然気づいていませんでした。自分がいじめられているというか、鬼を何度もやらされていることに気が付いていなかったのです。たぶん、みんなを信頼していたからだと思います。
そして、それから何度かそういうことが続いていました、わたしはかばうこともありましたが、なかなか決定的な人ことを言えませんでした。
しかし、ある日学校の帰りの会で最近楽しかったことを発表する時があり、その子が昨日みんなと鬼ごっこをして楽しかったと満面の笑みで発表しているのを見て、グループの女の子たちの顔がだんだん曇っていきました。
それからすぐに、もうああいうことはもうやめようとグループの一人がいいました。
全然楽しいものじゃないといい、他の子ももうあんなことはやめようといい、仲間外れにするようなことはなくなりました。だからといってだれも初めに言い出した子を責めることもありませんでした。その後は、みんな仲良くやっていました。
あのとき、誰もやめようと言いださなかったらいじめはさらにエスカレートしていたんだと思います。いじめはいじめる側は楽しみ半分でやっているので、それを楽しいという気持ちにならないようにもっていくことが大切だと思います。
「いじめるなんてくだらない」そういじめっ子の多くが思ってほしいと心から願います。いじめることがストレス解消の道具になったり、楽しみになるといじめは一向に減りません。いじめはほんとうにくだらなくて、自分をくだらない人間にしてしまうことをいじめっ子に気づいて欲しいと思います。


>>次ページ   いじめを乗り越えるためには |≪   前へ   1 2 3 4 5  次へ   ≫|