人と違うから?…
私はとある町のお商売をしている家に三女として生まれました。
親としては商売をしていることや、昔のことでもあり、男の子を望んでいたようですが私が女として生まれてきて少しがっかりしたようです。
3年後下に男の子が生まれ、四人姉弟になりました。
親は共働きでほぼ休みがないような状態が常でしたので、何となく自由に育ててもらったように記憶しています。
私自身は親が願ったせいか、男の子のような性格になり、他の男の子の友達を従えて遊びまわるような感じで日に焼けて真っ黒でした。
小学校高学年になると、女の子の友人とも遊んでいましたが、一緒にかくれんぼして遊んでいていつの間にか皆勝手に帰ってしまい一人取り残されたりすることがありました。
この時はこれがいじめ?とはあまり認識してはいませんでした。
お店の子というレッテルもあったのか、他の子たちには勝手にお金持ちだと勘違いされていたようです。
中学2年になるとクラス替えがあり、その時ある女の子が
「私、あの子、嫌い。」
と私のことをクラスメートたちにいうのを陰で耳にしました。
それから数日の間に、何だかクラスの雰囲気が一変。
クラスの係などの名前を書いてある所の私の名前に画鋲がブスブスと刺してあったり、そのクラスメートもよそよそしく口をきいてくれなくなりました。
さすがにこれは私は無視されている、嫌われている、これがいじめかと自覚しました。
ここからは班を決めるのにも嫌な顔をされたり、陰から
「サンボ!」
などとチビ黒サンボのあだ名をつけて呼んだりしていたようです。
クラス全員に口をきいてもらえないのはそれはそれは辛いもので、私の人生にとって最初の大きな試練となりました。
しかし親にも心配かけまいと、いじめられているという事をひた隠しにしていました。
当時のいじめについて親に語ったのは数十年経ってからでした。
学校に行きたくない…という気持ちがとても大きかったのですが、学校に行かないという事が自分にとってとてもマイナスになってしまうという考えがありましたので、必死で毎日平静を装い通いました。
このいじめが早くなくなるようにとも、毎日祈りながら…。
しかし中学2年の一年間はまったく状況が変化することはありませんでした。
中学生なら楽しいはずの遠足や体育祭、修学旅行などの記憶も私には美しいものはひとつもありません。
それでも今があるという事は安易にその場から逃げ出さずにいて、正しかったんだと思っています。
今だからいえるのですが、いじめは人生のほんの一瞬の出来事ですから…。