いじめを受けたその後
高校に入ってからはいじめを受けた事はありません。ですが、対人関係では本当に苦労しました。保育園から中学生まで、上述したような状態でしたので、人と関わり人と話す事のノウハウが全然分からないのです。話すとなるとはしゃぎすぎたり、逆に大人しすぎてしまったり。本当に色々な事があり、辛い記憶も沢山ありますが、それはいじめではなかったと思います。このときの事はいじめというよりも、その後遺症みたいな事だと受け止めています。
部活の友達と喧嘩のようになってしまった時、半年ほど落ち込んで、不登校になろうかと悩んだ事もありました。私は文学研究部に所属し、小説や詩を毎日のように書いていました。それで全国に認められ、大会で表彰を受けたのもこの頃です。その頃から同じく小説を書く子の態度が硬化し、陰口を言いふらされるようになりました。ですが、その子が勉強に熱心で、顧問に勧められても作品を大会に提出しなかったのはみんな知っていました。彼女は勉強よりも読書と小説書きに重きを置いていた私が気に入らなかったようです。ですがいじめというほどの事もないでしょう。しかしそこで、彼女の感情をうまく抜く事が出来ないのが、対人スキルを培ってこなかった後遺症なのだと思います。
それに私自身、友達と遊ぶよりも相変わらず読書と、部活、それと受験勉強の方に力を入れていました。
大学に入りやはり文学系の部活に入部し、そこで男性とも普通に話せるようになりました。高校ぐらいまでは、やはり中学まで男子にされてきたことがされてきたことですから、高校では男子とは全く話さなかったのです。ですが大学に入ってからも人間関係は複雑で苦労は続きました。その他にも家庭環境の方でも複雑な事が続き、社会人になって、色々な事が重なりすぎて精神科に通う事になりました。
精神科への通院は十五年ほど続きます。その間に結婚し、夫の転勤に伴って転院を繰り返し、医師と信頼関係を築く事がなかなか出来ず、次第に家に引きこもるようになりました。医師ごとにつけられる病名も全く違ったりすることもあり、結局自分が何の病気なのかはっきり分からず、悩み続けました。その一方でグループカウンセリングを受けて対人スキルを獲得し、人間嫌いだったのが、今では人と話す事、関わる事が大好きになりました。
最終的に信頼出来るカウンセラーを見つけ一年ぐらいかけて治療してもらった所、発達障害に強迫性障害、鬱病を併発していた事がはっきりしました。自分でもその診断には納得しています。幼い頃からのいじめにより、私は対人スキルに大きな欠落を持ち、それを克服するのに多大な時間と労力を費やす事になったのです。